『ひぐらしのなく頃に』(竜騎士07/07th Expansion,ひぐらしのなく頃に製作委員会,創通エージェンシー)
「鬼隠し編 其の参 疑心」(※以下、チバテレビ放映分を元に感想記事を書いています)
「「どうしたの、圭一? …顔色悪いわよ?」」…恐怖の夜が去り、それでも朝はやってくる。「「…ぁぁ、風邪かもしれない…。熱あるみたいだ」ピンポーン…「ああ、レナちゃん。迎えに来ちゃったんじゃない?」」…容赦の無い圭一への追い討ち。
「「去年、悟史君が失踪してから私は不審に感じていたんです。悟史君のお友達、つまり…前原さんのお友達グループの皆さんを、ちょっぴりだけ調べさせて貰ったんです」「…?」「1年目の事件の被害者は、現場の監督さんだったんですが…、事件の数週間前に、園崎 魅音さんと取っ組み合いをしてるんですよ、何度か」「魅音と?」「2年目の事件で、誘致派の夫婦が事故に遭いましたよねぇ。現場にはお嬢さんも一緒にいたんですよ。それが…北條 沙都子さんなんですよ」「え!? サトコって…沙都子…!?」「…3年目には神主夫婦が亡くなっていますよねぇ。そのお嬢さんが、古手 梨花さんです」「梨花ちゃん…が…?」「4年目に亡くなった主婦は、北條 沙都子さんの義理の叔母です。当時、沙都子さんはご両親を(前述2年目の)事故で失って、預けられていたんです」「……」「ちなみに、4年目失踪した北條 悟史さんは、沙都子さんの実の兄になります」「…!」「連続怪死事件の被害者は、何故か、あなたのお友達グループに全て繋がるのです」「…〜〜ッ! 偶然に、決まってるじゃないですかっ!」」…今の圭一にとっては弁護では無く、今ある確信に近付く恐怖から逃れたい一心。
「「竜宮さんは去年まで、茨城の郊外にお住みでした」「…! そうですよ! …レナは違う!」「実は…調べてみたら、竜宮さんは引っ越す少し前に、学校で謹慎処分を受けているんですよ」「…ぇ?」「…何でも、学校中の…ガラスを割ってまわったんだとか」「レナ…が…?」「その後、神経科に通院し、投薬とカウンセリングを受けています」「…し、神経科って…」」…まぁ、神経科に通う事自体は珍しい事ではありませんがね。「「その、医師のカルテに、レナさんの会話内容が記載されているんですがねぇ、その中に出て来るんですよ、結構」「…何が…です?」「“オヤシロサマ”って単語が。夜な夜な枕元に立って、自分を見下ろすんだって」「……」「その後、暫くして、雛見沢に引っ越されたんです」「何で、余所者のレナが…?」「レナさんは、余所者なんかじゃないですよ」「ぇ?」「住民票で判ったんですが…、竜宮一家は元は雛見沢の住民です」「…ぇ…」「レナさんが丁度小学校に上がる時に、茨城へ引っ越されたんです」「じゃあ、その……最後の被害者の富竹さんは、どうなんですか? 誰と、接点が…」「全員ですよ。お忘れですか、前原さん…」「……」「犠牲者は、何故かあなたのお友達と全員関係があるんです」」…圭一の“お友達グループ”と繋がりがあるという事は、つまり、圭一とも関係があると言う事。「「何で、俺に話すんですか…?」「前原さん。危ないのは…あなたなんですよ」「……!」」…圭一が一番聞きたくなかった答え。
「「…あ、そうそう、圭ちゃん」「何だよ!」「…お昼、何食べた…?」「…!? …お、表で食べたよ…」「ふぅん、お昼は外食だったんだね」「どう? 美味しかった?」「な…」「渋いおじ様と一緒だったみたいだけど、誰?」「……!」「ひょっとして、この間の人かな、かな」「「…な、何で、そんな事を…」「で、何のお話をしてたの? 随分とアツくなってたみたいだけど」「み、皆の、話は、してないよ…」「ふぅん。何だか怪しいな」「ま、何を隠れてやろうとも、私には全てお見通しって事。それだけを忘れないでくれればいいかなー」「……」「圭一くん、顔色が悪いよ。もう横になった方がいいと思うな」「そうだね。私達はもう帰ろう。…明日、学校休んじゃ、いやだよ」」…無機質な魅音の喋りよりも、むしろレナのそれの方が怖い。
「「…んぐっ!? ……は、針っ!?」」…ベタですが、この場ではこんなベタでも怖いです。しかもここでAパート終了。いい切り方をしてます。
「「くそうっ! 俺はッ…簡単に消されたりはしないぞっ! 絶対に!」━━私、前原圭一は命を狙われています。なぜ、誰に命を狙われているのかは分かりません。ただひとつ分かるのは、オヤシロさまの祟りと関係があると言う事です。レナと魅音は犯人の一味。他にも……━━「…よし」」…圭一の“遺書”。だが、それすらも見通されている危惧もあるとすれば、八方塞。
「「(これって…轢逃げ…!?)」」…最早、圭一には待った無し。
「「しかし何なんですの、その身なりは?」「ちょ、ちょっとな。…身体がナマってさ。で、…素振りでも始めようかな、なんてな」「……」「…?」「…健康に気を使うのは、とてもいいことだと思いますです」「…ぁ、ぁぁ…」「…でもそのバット、無くさないで下さいね、です」」…圭一がロッカーから取り出すほんの一瞬だけ、柄に書かれた名前が映る。このバットこそ、“彼女”の“兄”の“遺品”なのです。
「「あれ? 圭ちゃん、帰っちゃうの?」「…気分乗らないんだ。…暫く放っておいてくれないかな…」「ぇ…」「圭一くん、やっぱり女の子と遊ぶのなんか嫌だったかな、かな…」「…〜〜〜ッッ…! …そういう訳じゃねえよ…!」」…ははぁ、やっぱり、そういう事か。第1回目から薄々と感じてはいましたが。
「「…〜〜ッ! 何か用かよッ!?」「…別に、その…」「…部活はどうしたんだよ!?」「だって、圭一くんの事、心配で…」「もうついて来んなよ!」「………」「…ッ! ついて来るなって言ってるだろッ!」「だ、だって…レナの家も同じ方向だし…!」「じゃあ、先行けよ! レナが見えなくなったら行くから」「レナは、圭一くんと…」「早く行けよッ!! 早くッ!!」「そのバット、やめてよ…、怖いよ…」「……」「……」「…立ち止まるなッ!」「あの、その、その、訊いてもいい?」「…何だよ」「…何で、バットまで同じなの?」「何、言ってんだ…?」「だから…何で、バットまで同じなのかなって…」「〜ッ!! 何言ってんだか全然判んねぇよッ!! もっとはっきり言えッ!!」「……だから、どうしてバットまで悟史くんと同じなの!?」「…サトシって…!? …!? …これ…。…ちょっと、借りたんだよ、いいだろ、それくらい」「…そんな事じゃないのっ!!」「…え?」「悟史くんの時と、どうして、どうしてそんなにまで同じなの!?」「…何が…同じって…?」「チームに入っただけで、スポーツなんかしない人だったのに…」「だ、だから…」「悟史くんもね、ある日突然、一人で登校するようになったの…。圭一くんみたいに…。そしてね、ある日突然、素振りの練習を始めたの。 圭一くんみたいに! そしてね、ある日突然、バットを持ち歩くようになったの! 圭一くんみたいに!! そしてね! ある日突然、突然…!!」」…ほぼ確信。同じなのは、きっと、それだけじゃあ無い。大石からの電話で、彼は圭一と同学年である事も判っている。そして、それだけでは無く、視聴者は実はあの事を既に知っている。「「ある日突然…、悟史はどうしたんだよ…!? 答えろよ、レナッ!! 悟史はどうしたんだよッ!?」「…言ったよね、圭一くん?」「!?」「悟史くんは、転校しちゃったの」「…て、転校って…」「しないよね、圭一くんは」「な、何をだよ…」「てんこう…」」…ただでさえ盛り上げるクレッシェンド。そこから一気にトーンを落とすだけで、怖さが倍増する妙。
「「レナと魅音が、お見舞いって事で置いていったおはぎの中に、その、針が、入ってたんです。…飲み込まずに済みましたが…これって、やっぱり…」「その、針は?」「あ…えと…、よく見掛けるような、普通の裁縫針…」「違いますよ、前原さん! 針ですよ! 証拠になります。脅迫だと、立証できるかもしれません」……「見付かりません…」」…綺麗に掃除されている事がこんなにも怖いとは。
「「レナは、知っています。“鬼隠し”に遭った、悟史の事を…何か知っています」「具体的には?」「俺は、悟史とそっくりらしいんです。このまま行くと、俺も悟史と同じ運命を辿る…と…」「…具体的には?」「転校、と…」「転校…」「実は、レナの…」♪ピンポーン、ピンポンピンポン、ピーンポーン…」…この後の展開はおおよその想像が付きます。何はともあれ、人物関係が一気に複雑化したので、整理するのが吉。大雑把な相関図ですがこんな具合になるでしょうか。━━
4 北 北 古 古 園 園 竜 竜
年 北 條 條 手 手 崎 崎 宮 宮
目\ 條 母 父 母 父 母 父 1 母 父
犯 \義 ▲ × ▲ × ┃ ┃ 年 ┃ ┃
人 叔 ┗┳┛ ┃ ┃ ┃ ┃ 目 ┃ ┃
× 母 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 現 /犯 ┃ ┃
× ┃ ┗┳┛ ┗┳┛ 場/ 人 ┗┳┛
└──┨ ┃ ┃ 監 F ┃
┏┻┓ ┃ ┃ /督 ▲ ┃
沙 悟 前 前 梨 魅/ × レ
都 史 原 原 花 音 ┏━━━━ナ
子 ▲ 母 父 │ / ┃
\ ┃ ┃ │ / ┃
\ ┗┳┛ │/ ┃ ▲ ×
\ ┃ / ┃ ‥ ‥
\┃ / ┃ 行 死
鷹 富────圭━━━━━?━━━━━┛ 方 亡
野 竹 一\ 不
▲ × \大 明
┗?┛ 石
━━“お友達グループ”同士の繋がりは省略。今の処で判っている範囲では、1年目の犯人(“F”とは、犯行グループ6人中の1人という意味で便宜上付けたもの)や4年目の犯人(覚醒剤常習者。獄中死)とは直接の繋がりが見えていません。よりにもよって、下手人である本人との接点が見当たらない、という事になるでしょうか。次に気が付くのは、被害者の約半数は“お友達グループ”自身の身内であるという事。こと、沙都子に関しては身内(=誘致派)が揃って死亡乃至行方不明になっている(その反面、圭一と極めて接触の深いレナと魅音の身内に付いては(少なくとも今の処は)被害が浮上していない)。そう考えると、むしろ危険なのは圭一本人では無く、出張に出掛けた圭一の両親…!?(被害者達と直接の繋がりは希薄なレナとの接点が、両親には存在する(!)) …あれ? 待てよ? 圭一の両親の顔って、本アニメでちゃんとハッキリ描かれていた事ってあったっけ…!?(今回、母は登場したが顔は逆光でよく見えない。父は前回登場したがお茶を持ってきた後姿と襖を蹴る足,お盆を持つ手しか描かれていない。反面、エキストラも含めて殆どの脇役は、圭一を轢こうとした男すら、ミラーに映ったその姿は目線こそ帽子で隠れているとは言え、はっきり登場している) だいたい、両親は帰って来なかったというのに、一体誰が片付けたんだ…!?(しかも圭一は大石からの電話があるまでそれに気付いていなかった(!?)) そういえば、“御社様”で無く“オヤシロさま”って書くんだよなぁ…。本編に関係があるのかどうか不明ですが、主題歌も奇妙な事を訡っているよなぁ…。帰る場所が無いならこの指に止まれ、繋がってあげる、後戻りは出来無い…。
次回予告にあった“あのセリフ”は誰のものなのかが問題になる気がします。そして気になる事がもう一つ。圭一の両親は、何をしている人なのだろう?(更にもう一つ気になっている事があるのですが、本編と関係のある伏線だったのかどうか確信が持てないので、今の時点ではとりあえず棚上げ(謎))
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