『アラビア語会話』(NHK,NHK教育)、第12課。
「「السلام عليكم! ـこんにちは、ياناغيّا كاروكوです。さぁ、今日はですね、アラブの…人達が、お腹が痛くってハラハラした時や、体調を崩してたいちょう困った時に、お医者さん以外に頼りにしているお店が登場します。それは番組の…後半で!」」
「「アイナ…ます…らほる…までぃーなやと…ら…長いですね、今日は」「おー、でもちゃんと聞き取れているじゃないですか」「あ、はい、いや、これだけ繰り返して頂くとね」」…まー、花緑氏、2期目ですからねぇ。(苦笑) 「「今日の長い部分は…」「はい」「固有名刺なんですよ。“マディーナ劇場はどこですか?” أين مسرح المدينة؟ ـと訊いたんですけど…」「ああ、マディーナって劇場か…」「そう。“マディーナ劇場”ってのが長いから、文章が長くなっただけなんですね」「そうか、はいはい」「はい。…で、このマディーナ劇場。ベイルートにあるとても有名な劇場なんですけれども、これにأين、“どこ”っていうのを付けて、أين مسرح المدينة、“マディーナ劇場はどこですか”と訊いたという訳なんですね」」…あちらの地理や文化に詳しく無いので難ですけれども、名前から察するに市民劇場とか、そんな感じなんでしょうか??
「「今日の表現、أينを使って、“どこ?”と道や場所を尋ねる事が出来ます。勿論これだけでもいいんですけれども、道などを訊く場合、相手は大抵、初対面の他人だったりしますよね。そんな時に、こう印象を和らげてくれる
言葉がيا ترىなんですね。これを文章の最初か最後に付ける事によって“どこなのでしょうか?”とか、“どこかしら?”といった印象になる訳です」」…ふむふむ。من فضلكと合わせて使う事で、丁寧な表現になる訳ですな。
「「これはあのー、どんなヤトラ(やつら)に向けて言ったらいいんですか?」「アハハハ! どんなヤトラでも出来ます」「そうですか」」…كريمة先生、本気で笑ってるよ。(^^;;;
「A「أين الأستديو يا ترى؟ ـ」B「الأستديو بعيد. ـ」A「بعيد؟ ـ」B「بعيد. ـ」A「شكرا! ـ」B「عفوا. ـって、おい、ちょっとちょっと冗談冗談! الأستديو هنا! ـ」」…っていうか、المؤمنさんも、そこで帰らない!(^^;;;
「「それからスキットの中には、もう1つの言葉、بعيدの反対」「“更に遠い”」「いやいやいやいやッ!」」…反対じゃないッ!!(^^;;;
「「他はね、凄く判り易い、تاكسيってのがあったね!」「はいはいはいはい、あれは確かに」「これは聞き取れた」「日本語とちょっと似てるから」「というか同じだよね」「そうですね」「外来語なんでしょ、やっぱ、向うに行ってみると」」…以前の講座でも、序盤に出て来ましたね。あの運転手さん、面白いから、また出てこないかなー。(笑)
「「スキットの中にはですね、بالتاكسي أحسنってフレーズがありました」「ほうほう、はいはい」「これは“タクシーの方がいいですよ”って意味なんですね」「ほうー、そうなんですか」「“タクシーで行った方がいいですよ”っていう…、あのね、تاكسيにبـっていうのが付いてbitta:ksi:って言ってたんですね。このبـっていうのは“タクシーで”の“で”にあたる前置詞なんです。で、التاكسيにبـを付けるとbitta:ksi:ってなる訳ですね。で、このأحسنってのは“より良い”という意味なんですね。で、このأحسنて覚えておくと色んな使い方があって、例えば風邪を引いていた。で、“具合どうですか?”と言われた時にأحسنって言えば、“少し良くなりました”とかね、“だいぶ良くなりました”とかね」」…さらさらっと流していますけど、結構重要な事をやっているんだよなぁ。初心者に、こんな解説で良いのかなぁ…。この短い中で、前置詞بـと、また、その前置詞が定冠詞الと結び付いた時のهمزة الوصلの欠音。更に比較級や最上級の表現で、ここではأحسن。この比較・最上級の表現は応用が利くので、もう少し突っ込んだ処まで触れられるとأحسنなのですがね。先程の“更に遠い”のأبعدとかね。
「「劇場、مسرحという言葉は━━」」…欲を言えばここで、字義的にどういう意味を持つのか、という事に触れて貰いたいですが、そうなると初心者向けでは無くなってしまうですかね。残念ながら語根で調べても、手元の亜日辞典には載っておりませんでしたが、مسرحから更に派生した語مسرحيةはありました。
「「さて、花緑さん」「はい」「今日のスキットの中に、こういう文章も出て来たんですね。“私は、マディーナ劇場は、ここから近いと聞きました”。سمعتُ أن المسرح قريب من هنا! ـ」「はい」「سمعتُってのが出て来たんです。このسمعتُって言うのが“私は聞きました”という意味なんですね」「あ、これ1ヶで“私は聞きました”か」「そうなんですね。これ、つまり動詞なんですけれども、アラビア語の場合は、その動詞の中に“誰がやったか”っていうのも含まれるんですね。含まれるって言うか、つまり、誰がその行為をするかによって動詞の形が少しずつ変わるんです。で、“私は聞きました”はسمعتُだったんですけども、この動詞の基本的な形はسمعなんですね」「ほう、سمع」「で、“私は”はسمعتُで、أنتَだったらسمعتَ」「سمعتَ」「أنتِだったらسمعتِになるんです。で、“彼は”の場合はسمع、つまり基本形なんです」「あー、なるほど、はいはいはい」「で、“彼女〜”はسمعتْになるんですけれども、これ、今言ったようにね、アラビア語の場合は動詞の一番基本的な形は“彼はやった”という、つまり、過去の動詞である、と同時に“彼がやった”という動詞が一番基本的な形であるという事なんですね」「へぇ、“彼”なんだ」」…一気に動詞の活用を解説していきます。でも、こんなにさくさくと進めてしまって、初心者さん、大丈夫? 「「それで、これ、他の動詞でも、この語尾の、この変化、必ず同じなんですね。だから、例えば、“行った”、“私は行った”、ذهب」「あ、前にやりましたね、ذهبって」」…前の講座の中で、落語でやっていましたな。「あずはぶーと飛んでいく」とか何とか。「A「で、そうだと、さっきسمعتُだったでしょ?」B「ذهبتُ」A「ذهبتُ」B「أنتَ ذهبتَ」A「أنتَ ذهبتَ」B「ذهبتِ」A「أنتِ ذهبتِ」B「ذهبتْ」A「سمعتُ، ذهبتْって言うふうにね、この語尾の方は絶対に変わらないと、言う訳なんですね。で、これが判ると、誰がそれをやったのか判るっていうのがアラビア語の動詞の面白い処ですね」B「成程ね、判りました。じゃあ、覚えて使お♪」」…すごい急ぎ足な解説…。復習している人には良いかもしれませんが…。
「「番組の後半は、文化コーナー「アラブの風」です。今日は、アラブ人の日常生活に、無くてはならない存在のお店、عطارを紹介します。عطارでは、料理に使うスパイス、バラ水等が売られてます。しかしعطارの魅力は、それだけではありません。では早速、VTRをご覧下さい」━━「السلام عليكم! ـ レポーターのالمؤمنです。ここはオールドカイロと呼ばれる処です。ご覧のように、昔ながら町並みが、未だに残っています。最近、ロケがずーっと続いていて、私もちょっと疲れ気味なんですよ。こんな時、皆さん、お役に立つ店があります。では、どんなお店なんでしょう。行ってみましょう」━━この店名はヘドル・アル・アッタール 創業60年 カイロの老舗(しにせ)の薬香商です/この店で扱っているスパイスや ハーブは数千種類/エジプト産だけでなく 外国産もあります/これらはのほとんどが薬やお香として カイロっ子に利用されています/昔ながらの店構えを守るこの店は 映画の舞台としても使われる程です」━━خضر العطار。漢方に近い概念ですかな。棚には色々な品目の薬草や木の実等が並んでいます。おや、المؤمنというのもありますね。
「「番組の最後は、いつものように、お国ことばのコーナーです。で、今日は“どこ?”って意味のお国ことば」━━(シリア レバノン地域)「ウェーン?」━━(エジプトなど)「フェーン?」━━(湾岸地域)「ウェーン?」━━「どこの地域もこれは短くって似たような感じですね。وينとفينと」「そう、例えば“お手洗い”って言葉と一緒に合わせれば、凄い実用的に」「あ、“トイレ”って何て言うんですか?」「الحمام」「あ、そうか、これ知っておいた方がいいね」「そうなんです。たとえば、فين الحمام؟ ـとかوين الحمام؟ ـ」「で、フスハーでも同じなんで、أين الحمام؟ ـ」「色々使えるじゃないですか、やっぱりね。じゃ、僕も、حمامに行きたいんで、そろそろ終わりましょうか。番組の途中ですけどすみませーん、حمامに行きたいんで。ほら、こうしてشايを飲んだからね」」…いずれのالعاميةも、スペルを見るとأينの砕けた形なのが判ります。ちなみにالمغربية方言では、スペルはمصرية方言同様にفينですが、発音はfi:nuだそうです。
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